対面での利用に限られるJAL旅行券。唯一の救いであった「JALプラザ有楽町」が閉店したらどうやって使うのか。結論、確実に安心して使える方法がないということになりました。経営陣も手を打つ気がありません。(1)空港カウンターで利用ができますが、当日優先とのこと。(2)郵送対応もできますが、簡易書留代がかかる上、郵便の低速化が進む昨今においても原則として発券期限までに先方へ到着しないといけないとのこと。要は「航空券購入に使っていた人にとってJAL旅行券は紙くず同然になった」と理解しています。
本ページでは、JAL旅行券を使った航空券購入に焦点を当てています。JAL旅行券はツアーやホテル代への充当などにも利用できますが、ここでは言及していません。
JAL旅行券とは
JALには、自社発行の旅行券があります。
「JAL旅行券」です。
事実上「JAL旅行積立専用商品」とも言われています。
JALには、かつてサービス展開されていた「JAL旅行積立」というものがあり、年利がなんと2.5%!しかもJALカード決済でマイルも貯まり、銀行預金と比較して極めて優れた貯蓄先だったのです。
積立したお金の使い道は「JALを使った旅行」に限定され、積立完了時には「JAL旅行券」が発行されて郵送されてきました。JAL旅行券は主にJAL航空券やツアー代金への利用に限られましたが、JALを利用する人にとっては効率的な「運用」ができたとも言えます。
今となってはJAL旅行積立がサービス終了となっています。
発行から10年の有効期限があるJAL旅行券。JAL旅行積立の最終受取から10年経過すれば、JAL旅行券もほぼ役目を終えたと言えるでしょう。
JAL旅行券は時代遅れ
IT化が加速する令和の時代に、紙ベースのJAL旅行券は使い勝手がひどく悪い。
たかが航空券、スマホアプリからタップして買う時代なのに、JAL旅行券を使うためには対面で買わないといけません。航空券の発券のためだけに有人カウンターに行かなければならないのです。
挙句の果てに、JAL旅行券で購入した航空券を払い戻す場合はJAL旅行券での払い戻しになります。
本来変更できるはずの運賃であっても、JAL旅行券を利用した場合はWebで受け付けてもらえず、いつ繋がるかもわからない電話をかけ続けることになります。
株主総会のWeb質問で「既発行のJAL旅行券をデジタル化する計画はないか?」と経営陣に問いましたが、「オンラインで利用できるポイントを発行する新しい旅行積立にご期待ください」と。
「アホかと」
「こんな不便なもの二度と使うものか」
と、思わされたものです。
いや、経営陣も思っていたことでしょう。
「こんな不便なもの二度と発行するものか」と。
それでも今まではまだマシでした。
有楽町に市中のJALカウンターがあったからです。

このカウンターが、JAL旅行券利用者唯一の命綱だったのです。

JALプラザ有楽町は閉店
これまでは、オンラインで航空券の予約だけ自宅で行っておき、発券期限までにJALプラザ有楽町に出向けば、JAL旅行券で支払うことはできました。
しかし、このカウンターも時代の流れに逆らうことはできませんでした。
JALプラザ有楽町が店舗を構えていた有楽町電気ビルの1階は早々に店じまいをし、晩年は2階の事務所のような場所で平日のみひっそりと営業をしていました。
手狭なカウンターで客捌きができるように、予約制での営業でしたが、長続きせず。
ついに2024年12月20日に閉店となりました。

JAL旅行券で航空券を買う方法
JALのご担当者にお話を聞いてきましたが、結論から言いますと、使い方が極めて難しくなります。絶望的です。
空港カウンターで利用(リスクあり)
まず、鉄板となるのは空港カウンターでの利用でしょう。
空港カウンターで航空券を発券するときにJAL旅行券を利用できます。
【国内線航空券】
札幌(新千歳)・札幌(丘珠)・利尻・女満別・旭川・根室中標津・釧路・帯広・函館・奥尻・青森・三沢・秋田・花巻・仙台・山形・東京(羽田)・東京(成田)・新潟・松本・名古屋(中部)・名古屋(小牧)・小松・静岡・大阪(伊丹)・大阪(関西)・大阪(神戸)・南紀白浜・但馬・隠岐・岡山・出雲・広島・山口宇部・徳島・高松・高知・松山・福岡・北九州・大分・長崎・熊本・天草・宮崎・鹿児島・種子島・屋久島・喜界島・奄美大島・徳之島・沖永良部・与論・沖縄(那覇)・北大東・南大東・久米島・宮古・多良間・石垣・与那国
※一部空港は当日便のみの対応となります
【国際線航空券】
新千歳空港・成田空港・羽田空港・中部空港・関西空港・福岡空港・那覇空港
しかし、ご担当者いわく、
「空港カウンターは当日の利用者優先」
「JAL旅行券を使った先々の予約対応をご希望のお客様に空港カウンターはご案内していない」
とのこと。
つまり、「使えるけどわざわざ行っても買えない可能性があるよ」ということです。
なにそれ?
郵送での利用(リスクと実費負担あり)
次の選択肢が最後の手段なのですが。。。
JAL旅行券を窓口に送付して発券してもらう方法があります。
ご担当者様いわく、公式にはアナウンスしていないらしいのですが、数年前から変わっていなければ「窓口は北海道」にあります。
言っていいのか知りませんが、「窓口は北海道」にあります。
手順としては、
1、窓口に電話する(※ナビダイヤル)
2、JAL旅行券郵送の件を伝える
3、JAL旅行券を郵送する(※発券期限までに)
という手間のかかった手続きになります。
もちろん、通話料と郵送料金は利用者負担です。
案内されている電話番号はナビダイヤルです。通話料を無料にする方法はありません。
郵送料金は、110円(普通郵便)+350円(簡易書留)=460円は最低でもかかります。
これらを考えると、ちまちま買っていると旅行積立の金利分はコストとしてかかってしまうことになります。
そして、郵送先は北海道。
はたして予約後72時間以内に届くことはできるのでしょうか。
届けるために速達にしなければならないのでしょうか?
【到着期限】搭乗日の5日前、かつ購入期限内
ご担当者いわく「発券期限を調整することはあるが明言はできない」とのこと。
なにそれ?
まとめ
JAL旅行券を航空券購入に利用していた私にとっては、事実上紙くずになってしまいました。
一応、JALプラザ有楽町閉店後も利用は可能です。
- 空港カウンター
- 郵送対応
いずれにしても不便になることは間違いありません。
ではまた。