JR東日本が提供する「どこかにビューーン!」は、往復6000ポイントで新幹線駅のどこかに行けるサービスですが、申し込んだことのない人が公式サイトを見てもわからない、使い勝手について触れたいと思います。(1)1日の検索回数制限に引っかかっても検索を続けられる方法はあるのか、(2)行き先はどのようにして、いつわかるのか(本当に3日間待たないといけないのか?)、(3)6000ポイントはどういう形で引き落とされるのか、(4)割引クーポンはどうやって使うのか、(5)座席指定はできるのか、(6)変更できる範囲はどこまでか、(7)万が一キャンセルする場合はどうするのか、(8)途中下車はできるのか、(9)どこかにビューーン!で指定された列車は空いているのか、(10)乗車案内表の表記はどうなるのか、などについて書いています。
どこかにビューーン!とは
公式サイトで案内されている内容のおさらいです。詳細は省略します。
どこかにビューーン!は、JR東日本が提供するJREPOINTを利用した商品の一つで、6000ポイント(東京近郊発着の場合)を消費することでJR東日本管内の新幹線駅のどこかに行けるというものです。出発駅、出発帰着日、出発帰着時間帯を選んで検索すると、4つの候補駅が表示されます。それで納得ができれば申込み、粘りたければ再検索をかけます。
一旦申し込んだら、あとはJR東日本にすべての決定権が渡ります。行先はもちろん、利用列車も往復で指定され、変更はできません。
行先決定後にご都合が悪くなった場合、キャンセルはできます。ただし、ポイントは一切戻りません。一般的にはこれを「キャンセル不可」と呼ぶのではないかと思います。
制約は強いものの、どこに行っても旅行は楽しいことを知っている人にとっては、これ以上にないサービス商品と言えるでしょう。
JRE POINTは貯まりやすく使いやすい新たな経済圏を生み出していますから、積極的に使い倒していきたいですね。
このページでは、公式サイトでは詳しく書かれていない、ちょっとマニアックな気になることを共有しておりますので、ぜひご参考ください。
1日の検索回数に引っかかっても復活可能
4つの候補地のどこになるかわからない「どこかにビューーン!」。
申し込むのであれば、4つの候補地を徹底的にブラッシュアップして申し込みたいですよね。
しかし、検索回数にはおよそ100回程度の検索回数制限があります。
もし、検索回数制限にかかってしまったら、「翌日以降にお試しください」と表示されて先に進めなくなります。
しかし、そうなっても検索を続ける方法があります。
実は検索回数はアカウントに対してカウントしているのではなく、ブラウザに保存されているクッキーを使って数えています。つまり、
【検索回数に引っかかったら】
(1)端末やブラウザを変えてみる
(2)クッキーを削除する
などの対策を取れば、回数制限がリセットされ、再び検索できるようになります。
よくわからなければ、(1)「端末を変えてみる」や「ブラウザを変えてみる」ことをお試しください。
ある程度詳しければ、(2)クッキーを削除する、をお試しください。この場合、もし削除するクッキーを選択できるのであれば、「えきねっと関係と思われるもの」のみを削除すれば大丈夫です。
…と、これを公に言うのはいかがなものかとも思いますが、おそらくは自動化させて永遠に好きな組み合わせが出るまで何万回も検索させることを防止しているのが目的と思いますので、ここでは回避策も書いておきました。
ちなみにこの回避策は「どこかにマイル」でも応用できます。
行き先が分かるタイミングと発表方法
申込みから行先決定まで
どこかにビューーン!では、申込みをしてから3日以内に行先が決定します。
申し込み直後にはわからず、しばらくワクワクする時間を過ごすことになります。
公式では3日以内ということですが、実際には概ね24時間以内に決定することが多いです。
少なくとも行先がわからないまま2晩過ごしたことはありません。
ちなみに「どこかにマイル」では24時間以上待たせる傾向があり、2晩過ごすこともありますが、それと比較して「どこかにビューーン!」は決定が早いように見受けられます。
偶然かもしれませんが、私の場合は翌日の14:15に行先決定することが複数回ありました。
行先の発表方法
行先が決定すると、一切のタイムラグなく「決定した旨のメール」が届きます。
そのリンクを辿っていくと、「行先を見る」というボタンが現れますので、クリックします。すると、3秒間のカウント演出の後に行先が表示されます。
しかし、実際には行先決定と同時に「えきねっと予約」として反映されています。つまり、えきねっとを頻繁に利用している人であれば、メールを見て「行先を見る」ボタンを押してからのドキドキを味わう前に、唐突に行先を知ることになります。えきねっと予約の一覧の中に、見覚えのない日付の予約が見えてきたら、スクロールを一旦ストップし、念のため心の準備をしましょう。
ポイントの取り扱い
申し込み時は引き落とされない
「どこかにビューーン!」は、申込みをしてから行先決定までタイムラグがあります。
一般的な感覚では「申し込んだらポイントが引き落とされる」と思いがちですが、どこかにビューーン!の場合は違います。
申し込みをした時点では、ポイントは無傷です。
そして、行先が決定するまでの間であれば、無傷のままキャンセルすることも可能です。
行先決定と同時に引き落とされる
行先が決定すると、ポイントが差し引かれます。
東京発でクーポンを使用しないケースであれば、6000ポイントが引かれます。
そして、一旦引かれたポイントは、乗客側の都合によるキャンセルの場合は返還されません。
キャンセルについては後ほど詳しく説明します。
往路と復路でポイント数が異なる
ちょっとマニアックな情報ですが、6000ポイント引かれると言っても、一括で引き落とされるわけではありません。
往路3005ポイント、復路2995ポイントとして引き落とされます。
JRE POINTの口座でも、上記のように2項目に分かれて登録されます。
半分ずつではない理由は定かではありません。
なお、私が申し込んだときには2000ポイント引きクーポンを利用しましたので、往路2005ポイント、復路1995ポイント、合計4000ポイントとなりました。
割引クーポンに関する情報
割引クーポンの入手方法
唐突に割引クーポンの話を出してしまいましたが、通常、タダで割引クーポンが手に入るわけではありません。
主に、下記の条件を満たすと割引クーポンを手に入れることができます。
【どこかにビューーン!の割引クーポン入手方法】
・JRE STAGEのプレミアム以上を獲得する
・JRE BANKで所定の条件(残高・クレカ引き落とし、給与振込)をクリアする
また、長期連休のキャンペーンとして「こども半額」のクーポンが配布されたこともあります。
いずれの場合も、各サービスとえきねっとがアカウント連携されていますので、条件をクリアすると自動的に各位のえきねっとに紐づく形で割引クーポンが付与されます。
割引クーポンの適用方法
割引クーポンは、実際に申し込むときに適用することができます。
申込みを確定する前に、割引クーポンの適用画面に誘導されるので、見落とすことはないでしょう。
ただし、クーポンの適用は手動です。
必ずチェックを入れてから先に進み、引き落としのポイント数が正しいことを確認しましょう。
予約の変更について
座席の変更はできる
どこかにビューーン!を申し込んで、行先決定まで進んだ段階で、すでに列車も座席も指定されています。
通常は窓側から人数分が並びで指定されています。
特にこだわりがなければ、そのまま乗車することができます。
もし座席の変更をしたい場合は、「予約を変更する」から進めば手続きすることができます。
座席の変更は発車時刻まで何度でも行うことができます。
座席の変更以外はできない
通常のえきねっと予約であれば「予約を変更する」をタップすると、座席変更の他に日時や区間、人数、商品の変更などが選択肢として出てきます。
しかし、どこかにビューーン!の場合は「座席変更」のみが候補として出てきます。
座席の変更はできますが、その他の変更は一切できないと心得ておきましょう。
予約のキャンセルについて
乗客都合のキャンセルはポイント返還なし
どこかにビューーン!は、キャンセルができます。
えきねっとのサイト上で旅程を取り消しできます。
ただし、ポイントの返還はありませんから、事実上「キャンセル不可」とも言えるでしょう。
もちろん明らかに乗車しないのであれば、その席を明け渡すのがマナーと思います。ただし、乗車日の運行トラブルや、台風接近などによりポイントが返還される事態(次項参照)になることもあるので、明らかに乗車できない予定になったとしても、早すぎる自主的なキャンセルはいかがなものかというのが本音。
立場上、何とも言えません。
JR側の都合によるキャンセルはポイント返還あり
例えば、何らかのトラブルで指定された列車が運休となった場合などは、ポイント返還を伴うキャンセルができます。
悪天候による計画運休もこれに含まれ、往復ともにキャンセル手数料無料期間に含まれる場合は、えきねっとサイト上からキャンセルしても後日ポイントが返還されます。
往復どちらかのみキャンセル手数料無料期間に該当している場合でもポイント返還されますが、えきねっとサポートセンターへの電話が必要となります。
予約の変更は一切できない
ただし、気をつけてほしいのは「予約の変更は一切できない」ということ。
もし、予約した列車がピンポイントで運休となった場合でも、予約変更はできません。その場合は、後続の列車の新幹線eチケット(無割引)をクレジット決済して座席を確保し、しかしその予約には一切手を付けず(ICカードの紐づけもせず)、どこかにビューーン!の予約に紐づけたICカードで乗車することで、どこかにビューーン!を利用済みとし、未利用の新幹線eチケット(無割引)の予約を後日払戻ししてもらう流れになります。ちょっと不安ですよね。
その点は、JALのどこかにマイル(運航障害発生時は自由に変更できる)の方が進んでいると思います。
指定区間の内側ならどこでも利用可
途中で降りることは可能
どこかにビューーン!では、指定された区間の内側であれば、どこでも利用できます。
例えば、東京ー新青森のはやぶさ号を指定された場合は、大宮ー盛岡などの内側の短い区間でも利用できます。
ただし、通過駅で降りることは物理的にできません。特に往路停車で復路通過が起こりうる駅を利用する場合はご注意ください。
注意すべき駅
安中榛名~上田、上毛高原~燕三条、郡山、白石蔵王、高畑~かみのやま温泉、古川~新花巻、いわて沼宮内~七戸十和田、雫石、田沢湖、角館など。
途中下車は残りの区間無効(前途無効)
どこかにビューーン!は厳密な回答として途中下車はできません。途中下車とは、途中で一回降りて再度旅行を継続することを意味しますから、このような回答となります。
ただし、「一般的な途中下車のイメージ」として「残りの区間を捨ててでも途中の駅で降りること」を表すことが多いですから、「途中の駅で降りることはできる」と明記しておきます。
実際に私は、大石田が当選して天童で降りたことがある、とお伝えすれば安心できるでしょうか?
どこかにビューーン!指定列車の様子
どこかにビューーン!の元になったと思われる「どこかにマイル」は、JALが「空席で飛行機を飛ばすくらいなら格安のマイル数でも誰かに乗ってもらいたい」と考えて開発されています。つまり、空席の目立つ便の座席が割り当てられているのです。逆に言えば、満席になるような便の座席は滅多に割り当てられません。
一方、どこかにビューーン!はどうかというと、
私が乗車した金曜日夜の秋田新幹線こまち45号に関して言えば、仙台までの区間において座席がすべて埋まっていました。
確かに仙台ー秋田間では空席が目立ちましたが、しかし、どこかにビューーン!の乗客を乗せるくらいであれば、東京ー仙台だけでも有償で売りさばいたほうが良さそうですよね。
ということで、どこかにビューーン!で割り当てられた列車は空いているとは限らない、と言えます。
また、このことから、「飛行機のマイルとは異なり、JRE POINTの価値そのものを高めようという狙い」をも感じることができます。
どこかにビューーン!の乗車案内
どこかにビューーン!は交通系ICカードで乗車
どこかにビューーン!で割り当てられた予約は、乗車前に必ず交通系ICカードとの紐づけが必要です。
紙のきっぷを受け取って乗車することは原則としてできません。
例外として、特殊な事情がある場合は、みどりの窓口でお願いすれば紙のきっぷを発券してもらうことはできるようです。
特殊な事情とは、例えば年度末をまたぐ利用で、往路は小学校6年生だったのに、復路は中学1年生になっているケースや、交通系ICカードを持っていないケースなどが挙げられます。
年度を跨いで往路こども、復路おとなとなる場合は、子どもで申し込んだうえで、みどりの窓口に申し出る必要があります。
記念に「乗車票」を持ち帰ることは可能
何らかの形で乗車した記念がほしいという方は、新幹線改札内にある座席表発行機で紙のご案内を受け取ることは可能です。
乗車区間、日付、時刻、座席番号が記載されています。
そして「どこかにビューーン!」を利用している旨も表示されます。
さらに何枚でも発券することができます。※「常識の範囲で」と立場上申し添えておきます
ぜひご利用ください。
まとめ
JR東日本が提供する「どこかにビューーン!」を利用し、以下の知見を得ました。
- 往復6000ポイントで新幹線駅のどこかに行けるサービス
- 1日の検索回数制限に引っかかってもブラウザを変えれば検索を続けられる
- 行き先は翌日をめどに決まる
- 6000ポイントは行先決定時に引き落とされる
- 割引クーポンは申込時に使用できるよう動線が組まれている
- 座席指定はできる
- 変更できるのは座席のみ
- 万が一キャンセルする場合はえきねっとのサイト上で可能、ただしポイントは戻らない
- どこかにビューーン!で指定された列車は空いているとは限らない
- 乗車案内表にはどこかにビューーン!を利用している旨が表示される
ではまた。