快速「海里」に実際に乗車して分かったことをまとめます。
- 海側の窓側席はA席
- 一般のきっぷで乗れるのは、主に1号車と2号車
- 2号車のコンパートメントは、3人以下だと相席になる場合がある
- 最も景色が美しいのは、桑川~あつみ温泉付近
- 酒田行きなら、1号車の展望スペースから前面展望を楽しめる
- 桑川駅では長めの停車時間があり、駅の外へ出られる
- 人気日には指定席が早く埋まるため、早めの予約がおすすめ
車内設備だけでなく、どの区間で何が見えるのか、実際の乗車体験を交えながら紹介します。
快速「海里」は新潟~酒田を走る観光列車
快速「海里」は、新潟駅と酒田駅の間を結ぶ観光列車です。
「海里」は「かいり」と読みます。
新潟・庄内地方の食と、日本海や田園地帯の景色を楽しむことを目的とした列車で、2019年10月に運行を開始しました。

新潟~新発田間は白新線、新発田~酒田間は羽越本線を走ります。
列車そのものを楽しむだけでなく、羽越本線の日本海側区間をじっくり眺められるのが「海里」の大きな魅力です。
毎日運転ではないので注意
快速「海里」は、毎日運転されている列車ではありません。
金曜日・土休日などを中心に運転されますが、季節や時期によって運転日が異なります。
旅行の日程を決める前に、JR東日本の公式サイトで運転日を確認しておきましょう。
快速「海里」の運転日・時刻表
JR東日本の公式ページで確認する
海里に必要なきっぷ
1号車・2号車は乗車券と指定席券で乗れる
快速「海里」は、全車指定席の列車です。
1号車または2号車に乗る場合は、利用区間の乗車券に加えて、指定席券が必要です。
特急列車ではないため、青春18きっぷや北海道&東日本パスなど、普通・快速列車に乗車できるきっぷと指定席券を組み合わせて利用することもできます。

チケットレス座席指定券にも対応
「海里」は、えきねっとの在来線チケットレス座席指定券に対応しています。
紙の指定席券を受け取らずに乗車できるため、指定席券売機のない駅から乗る場合にも便利です。
一方で、紙のきっぷを旅の記念として残したい人もいるでしょう。
便利さを選ぶか、記念品を選ぶか。これは悩ましいところです。
海里の車両構成
「海里」は4両編成です。
酒田方
1号車:リクライニングシート
2号車:コンパートメントシート
3号車:売店・イベントスペース
4号車:旅行商品専用ダイニング
新潟方
1号車|リクライニングシート
1号車は、2人掛けのリクライニングシートを中心とした車両です。
一般的な特急列車に近い座席ですが、観光列車らしく、景色を楽しみやすい工夫が施されています。
- 座席間隔が広い
- 窓が大きい
- 座席が床面より一段高い
- 酒田方に展望スペースがある

過度に豪華な座席というわけではありませんが、普通の特急列車よりゆったり過ごせると感じました。
一方、各座席に専用コンセントが用意されているわけではありません。
私が乗車した際は、展望スペースに共用コンセントが設置されていました。
海沿いでは撮影したくなる場面が連続します。スマートフォンやカメラは、できるだけ満充電にしてから乗車するのがおすすめです。

2号車|コンパートメントシート
2号車には、4人掛けのコンパートメントシートが配置されています。
コンパートメントという言葉になじみがなければ、「半個室型のボックス席」と考えると分かりやすいでしょう。

1区画を4人で使用する造りで、座席を引き延ばしてフラットにすることもできます。

足を伸ばして過ごせるため、家族やグループでの旅行には魅力的です。小さな子どもと一緒に乗る場合にも使いやすいでしょう。
コンパートメントのメリット
- 半個室感がある
- 足を伸ばして過ごせる
- 各区画にコンセントがある
- 家族やグループで会話しやすい
3人以下で利用する場合は、相席の可能性を理解したうえで予約しましょう。
3号車|売店・イベントスペース
3号車は、売店を中心としたイベントスペースです。
座席のある客室ではなく、飲み物やお菓子、海里のオリジナル商品などを購入するための車両です。

私が乗車したときは、3号車にエキタグも設置されていました。
スタンプを集めている人は、忘れずに確認しておきましょう。

4号車|旅行商品専用のダイニング
4号車は、食事やドリンクを楽しむ旅行商品専用のダイニング車両です。
乗車券と指定席券だけで利用することはできません。
4号車の旅行商品を予約していない利用者は、車内へ立ち入ることもできないため、1~3号車とは別枠の車両と考えましょう。
提供される料理や旅行代金、設定日は時期によって変わります。
食事を楽しみながら乗車したい場合は、JR東日本の公式ページや旅行商品の販売ページを確認してください。
海側の窓側席はA席
「海里に乗るなら、日本海が見える席に座りたい」と考える人は多いでしょう。
海側の窓側席を希望する場合は、A席を選びます。
快速「海里」の海側窓側席は、酒田行き・新潟行きともにA席です。
ただし、A席が取れなかったからといって、乗車を諦める必要はありません。
海がよく見える場面では展望スペースへ移動できますし、通路側や山側からでも景色を楽しめる区間があります。
新潟行きは午後から夕方にかけて走るため、時期や天候によっては海側がまぶしく感じられることもあります。
その場合は、山側のD席を選ぶのも一つの考え方です。

酒田行きなら前面展望を楽しめる
海里は、酒田方の先頭車両が1号車、新潟方の先頭車両が4号車です。
酒田行きでは1号車が先頭になるため、一般の指定席利用者も1号車の展望スペースから前面展望を楽しめます。
一方、新潟行きでは旅行商品専用の4号車が先頭です。
1号車・2号車の指定席利用者は4号車に入れないため、新潟行きでは基本的に前面展望を楽しめません。
展望スペースに座席はない
海里の展望スペースには、大人が座って過ごせるイスはありません。
小さな子どもが前を見やすくするためのお立ち台が用意されています。
展望スペースは、多くの乗客が景色や前面展望を楽しむ場所です。
カメラを固定したり、長時間場所を占有したりせず、譲り合って利用しましょう。

海里から見える景色を区間別に紹介
「海里に乗れば、最初から最後まで日本海が見える」と思うかもしれません。
しかし、実際に海が見えるのは主に村上~鶴岡付近です。
景色の目安
新潟~村上:田園や鉄道設備
村上~桑川:トンネルを抜けると日本海
桑川~あつみ温泉:最も美しい海岸区間
あつみ温泉~鶴岡:日本海の景色が続く
鶴岡~酒田:庄内平野と鳥海山
新潟~中条|米どころ新潟の田園風景
新潟駅を出発してもしばらく日本海は見えません。
代わりに車窓へ広がるのは、米どころ新潟らしい水田の景色です。
海里は座席の位置がやや高く、一般的な列車とは少し違った目線で田園風景を眺められます。


中条~村上|鉄道ファン向けの見どころ
村上駅に近づくと、沿線に高さの異なる電柱が並んでいる場所があります。
私が乗車した際は、かつて村上以北の交流電化に関係して使用されていた設備について、車掌さんから案内がありました。
海の景色を目的に乗っている人には地味かもしれませんが、鉄道設備が好きな人には興味深い区間です。

村上~桑川|トンネルを抜けると日本海
村上駅を出ると、直流電化区間と交流電化区間の境界となるデッドセクション付近を通過します。
海里はディーゼルハイブリッド車両のため、電源を切り替えることなく走行します。
鉄道ファンは、架線の切り替え地点や標識にも注目です。
そして、村上駅を出て最初のトンネルを抜けると、前方に日本海が現れます。
酒田行きに乗っているなら、ここはぜひ1号車の展望スペースから見てほしい場面です。
真正面に海が見えた直後、側面の車窓にも日本海が広がります。
展望スペースに集まっていた子どもたちへ場所を譲ったため、肝心の真正面に海が現れる写真はありません。なんてやさしい私。笑

桑川~あつみ温泉|海里で最も美しい区間
桑川駅を出ると、海里は笹川流れ付近の海岸線を走ります。
この区間は、海里の全区間の中でも特に景色が美しい場所です。
私が乗車した際は、景観の良い場所で速度を落として走行しました。
車掌さんからも見どころの案内があり、乗客が写真を撮りやすいよう配慮されていました。

あつみ温泉~鶴岡|日本海を見ながら過ごす
あつみ温泉を過ぎたあとも、しばらく日本海側の景色が続きます。
国道を走る自動車と並ぶように、海岸線を進んでいきます。

ただし、海の景色が長く続くためか、このあたりになると眠っている乗客も増えてきました。
景色を見続けて少し疲れた場合は、この区間を食事や休憩の時間に使うのもよいでしょう。
私が乗車したときは、理系を名乗る車掌さんから「空はなぜ青く見えるのか」という熱のこもった説明がありました。
最初は誰にでも分かる言葉で説明しようと頑張っていましたが、徐々に紫外・赤外・波長といった単語が登場。
最後には理系モードが抑えきれなくなっていました。むしろ理系の私は、その状態になってからのほうが分かりやすかったです。笑

鶴岡へ近づくと線路は内陸へ向かい、日本海は見えなくなります。
海の景色は、このあたりで見納めです。
鶴岡~酒田|庄内平野と鳥海山
鶴岡付近から酒田にかけては、庄内平野の中を走ります。
海岸線の景色が終わったため、多くの乗客は少し落ち着いた雰囲気になります。
しかし、酒田行きなら、ここでも前面展望を見てほしいと思います。
水田の中にまっすぐ延びる線路を走る様子は、海岸区間とは違った気持ちよさがあります。

さらに左前方には、天候がよければ鳥海山も見えます。

この区間では、山形県のお米について車掌さんから案内がありました。
そして最後には、「海里の車内から水田を見たことを、地元へ帰ったら周囲に自慢してください」と乗客にマウントを取らせつつ、海里の宣伝までさせる技が炸裂。
最後の最後まで、おもしろい車掌さんでした。
桑川駅では長めの停車時間がある
快速「海里」は、途中の桑川駅で長めに停車します。
停車時間は運転日やダイヤによって変わる可能性がありますが、私が乗車した際は約20分間ありました。

停車中は列車から降り、駅舎の外へ出ることができました。
桑川駅は日本海のすぐそばにあり、駅周辺は公園として整備されています。
時間に余裕があれば、海岸付近まで歩いて行くこともできます。

駅に併設された道の駅では、私が訪れた際に「日本海ソフト」が販売されていました。
乗車時の日本海ソフトは400円でした。

当時はJAFの会員証を提示すると割引を受けられました。さあ、恥ずかしがらずに提示するのだ!

海里の指定席を予約する方法
予約はえきねっとが便利
1号車・2号車の指定席券は、えきねっと、指定席券売機、みどりの窓口などで購入できます。
ただし、海里は座席数が多い列車ではありません。
土休日や行楽シーズン、青春18きっぷの利用期間などは、指定席が早く埋まることがあります。
乗車日が決まっている場合は、発売開始後なるべく早く申し込むのがおすすめです。
えきねっとでは、発売開始前に申し込める事前受付も利用できます。
コンパートメントを予約するときの注意点
2号車を予約する場合は、えきねっとの列車選択画面で「海里(コンパートメント)」を選びます。
通常の「海里」を選ぶと1号車のリクライニングシートになるため、列車名をよく確認してください。
複数人で申し込む場合は、同じ区画になるよう配慮されます。
ただし、希望した人数分を同じ区画で確保できない場合や、1~3人で利用する場合は、相席になる可能性があります。
予約時のポイント
1号車に乗る:通常の「海里」を選択
2号車に乗る:「海里(コンパートメント)」を選択
4号車に乗る:食事付き旅行商品を申し込む
海里はA席が取れなくても乗る価値がある
快速「海里」に乗車して、特に印象に残ったポイントをまとめます。
- 毎日運転ではないため、運転日の確認が必要
- 1号車・2号車は乗車券と指定席券で乗車できる
- 1号車はリクライニングシート、2号車はコンパートメント
- 2号車は3人以下だと相席になる場合がある
- 海側の窓側席は、上下列車ともA席
- 酒田行きなら1号車から前面展望を楽しめる
- 最も景色が美しいのは桑川~あつみ温泉付近
- 桑川駅では長めの停車時間があり、駅の外へ出られる
- 人気日は指定席が早く埋まるため、早めの予約がおすすめ
A席は確かに魅力的ですが、取れなかったからといって乗車を諦めるほどではありません。
展望スペースへ移動できますし、日本海だけでなく、新潟の田園風景、鉄道設備、庄内平野、鳥海山など、区間ごとにさまざまな見どころがあります。
車両、景色、車掌さんの案内、桑川駅での散策まで含め、列車に乗っている時間そのものを楽しめる観光列車でした。
快速「海里」の最新情報
JR東日本「海里」公式ページ
ではまた。


